浸出水処理施設の紹介
エコパークいずもざき 浸出水処理施設
施設の特徴
浸出水処理施設は、水量及び水質変動に対して安定した処理を行うための調整設備や、確実な処理性能が得られる最適な処理プロセスの組み合わせによって構成されています。
浸出水は、流入・調整、前処理、生物処理、凝集沈殿処理という工程で処理されます。そして、凝集沈殿処理で除去できない微細な浮遊物質、有機性汚濁物質、溶解性汚濁物質は砂ろ過塔、活性炭吸着塔及びキレート吸着塔の高度処理設備で除去できる安全性の高い施設となっています。
また、水処理工程で発生した汚泥は、脱水処理後場内で処分されます。
- 浸出水の水量や水質の変動を緩和し、安定した処理を行うために複数槽からなる浸出水調整設備を設けています。
- 浸出水に含まれているカルシウムは配管や機器の内部で固まる(スケーリング)ため、前処理としてカルシウムの除去を行います。
- 浸出水中のBODや窒素分を除去するために負荷の変動や維持管理が容易で、なおかつ、安定した処理が行える接触ばっき方式を採用しています。
- 砂ろ過塔、活性炭吸着塔、キレート吸着塔で構成された高度処理設備を採用しています。
- 各設備の運転は、中央監視室において集中管理、制御を行っています。
処理フローとしくみ
- 流入・調整設備
浸出水は、集水ピットのポンプを経由して浸出水調整設備に送られます。浸出水調整設備は、流入する浸出水の水量および水質の変動を緩和し、安定した処理を行うための設備です。貯留日数は処理量の約30日分となっています。また、散気装置を浸出水調整設備底部に均等に設置し、ブロワ空気による空気撹拌を行い、浸出水の腐敗防止を図るとともに、浸出水の水質の均一化を図ります。 - 前処理設備
前処理として浸出水に含まれるカルシウムを除去します。浸出水を弱アルカリ性にしてカルシウム除去剤(炭酸ソーダ)や凝集剤(塩化第2鉄)を添加し、凝集沈澱させます。凝集槽でさらに凝集助剤(ポリマー)を注入し、凝集した固まり(フロック)を大きくし、凝集沈澱槽で沈降させて汚泥濃縮槽へ送ります。カルシウム除去以外にも弱アルカリ性下で凝集沈澱を行うため、重金属類除去に効果があります。また、冬季間の水温低下対策として、ボイラー蒸気による加温を行います。 - 生物処理設備
槽内の微生物の働きによって浸出水の汚濁物質であるBOD(生物化学的酸素要求量)やT-N(窒素分)を除去します。 有酸素状態(好気)となるように接触ばっ気槽では空気を供給し、BODを二酸化炭素や水に分解除去します。次の脱窒素槽では、無酸素状態(嫌気)で窒素分を窒素ガスとして放出・除去します。生物の活動を促進させるため、接触ばっ気槽では浸出水に不足しているリン分の供給としてリン酸を脱窒槽では生物の栄養源としてメタノールを添加します。 - 凝集沈澱設備
生物処理水中に残存している汚濁物質(SS等)に凝集剤(塩化第2鉄)や凝集助剤(ポリマー)を添加し、凝集沈澱させて除去します。ここでは、弱酸性下で凝集剤(塩化第2鉄)を混和槽に、凝集助剤(ポリマー)を凝集槽に添加し、フロックを形成します。フロックは凝集沈澱槽で沈澱させて汚泥濃縮槽へ送ります。 - 高度処理設備
凝集沈澱処理までで除去できなかった微細なSSは砂ろ過塔内の2層構造の砂で捕捉します。また、残存するCOD(化学的酸素要求量)や色度は活性炭吸着塔内の粒状活性炭により吸着・除去します。さらに水銀等が残存している場合でもキレート吸着塔内のイオン交換樹脂で吸着・除去します。 - 脱塩・乾燥設備(第1・2期のみ)
浸出水に含まれる塩素イオンを電気透析法(イオン交換膜)にて除去します。除去された塩素イオンは、塩化ナトリウム(食塩)溶液として濃縮されます。 - 滅菌放流施設
処理水を塩素で滅菌し、河川に放流します。